狼執事とお嬢様♡
どうしてくれようこの弟…
なに得意げに歩いてるんじゃ!!
「ねぇねぇ、凛城って…
穂乃歌の弟…?」
そう私に話しかけてきたのは前に座っている莉緒だった。
私はその質問で、気力無~く答えた。
『らしーねー…』
「ちょっとちょっとー
もう少しイイ顔しなさいよ、お姉様♪」
『莉緒は前向きなさい?』
「はいはーい♪」
しぶしぶと前へと体を戻す莉緒。
全員が入り終わり、ステージ向きに座る。
私が座っているこの席から婁唯が見えている。
なんとなく…目を逸らす。
「そこまで悩むことねぇじゃん?」
『支葵…』
右隣にいた支葵が、さりげなく私に話しかける。