狼執事とお嬢様♡
「つーか、婁唯サンも穂乃歌を困らせる気とか無いだろ。」
婁唯の事を「婁唯サン」と言った支葵。
…まぁ、私の弟ってこともあるからだと思う…
執事って大変だね
いろんな事に気を配って。
『だといいんだけど…』
私は無気力に応えた。
支葵の言葉に付け加えするかのように、左隣の俊が言った。
「安心しとけば?」
『うん…』
あからさまに不安な表情を見せている私。
隠せるものなら隠したいです…
「お前に何かあったら、俺が守るから。」
『支葵…。ありがとぉ♪』
頭の上に支葵の手が優しく乗る。
その手に縋る様に私は少しだけ安心を取り戻す。
支葵の隣、海琉が口の前で人差し指を伸ばす。
“静かに”のサイン。
私達は前を見据えた。