狼執事とお嬢様♡
【穂乃歌】



…私はまだ気持ちに、踏ん切りつけてないから。

つけれて、ない。



…つけたいとも…思ってない。

思える分けない…

こんなに…、




好 き な の に 。





「穂乃歌が俺を選んでくれるまで、待ってる。」




私の言葉に和哉君はフッと柔らかく笑った。




『ありがとう、和哉君。』

「…お前にとって俺は和哉かもしれないけど、
俺にとっての俺は龍だ。
だから、俺の本当の名前で呼んでくれよ。」



…そうだね。

そうかもしれないけど…


それって、



『支葵と変わんないじゃん。
あの時はあれだけ馬鹿にしたくせに。』



私はフッと軽く笑った後、大きく笑う。


…半分は、誤魔化しだ。




迂闊だった。


支葵の名前を出すなんて。





うっかり、泣きそうになった。


笑いで抑えた切なさは、抑えきれずに温かな雫となって頬を伝った。


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