狼執事とお嬢様♡
「穂乃歌…?」
『あはは、は…あれ?
どうしたんだろ…なんか…』
胸の奥が、ズキズキと痛い。
押しつぶされそうな心は、息を大きく吸っても押しつぶれそうなままで。
食い縛った歯は意味もなく、涙は留まる事を知らなかった。
こんな感情、支葵と出会わなかったらならなかったのに…
こんな、苦しい思いはしなかった。
身分と言う柵から逃れなれない私たちは、もうどうにもならないんだろうか…
もう1歩先に進むことも、昔に戻ることさえも。
今更、気づいちゃったんだ…
こんなにも、貴方が好きだなんて。
こんなにも、愛しい。
胸が潰されそうになるほど、
何だがとまらなくなるほどに…
貴方が――――
好きです…。
「なぁ、穂乃歌……」