狼執事とお嬢様♡
名前を呼ばれたことにハッとして、私は龍から体を離した。
『ご、ごめんっ…
なんか、つい……。』
今になって自分がとった行動が恥ずかしくなった。
私はあわてて席に戻った。
茹蛸状態で、頭の中もプチパニックを起こしている私。
そんな私に、龍は柔らかく、優しく微笑んでくれた。
「いや、嬉しい。
お前から俺に触れてくれて。」
少し目が赤い。
…胸の奥がギュッと潰されるよう…。
私は少し抵抗がありながらも、言ったんだ。
『……龍』
本来の名で呼ばれたことがそんなに驚いたのか、龍は目を丸くした。
私自身、本人を目の前にして言うのは少し恥ずかしかった。
「…はっ……
驚いたな…。いきなり呼び捨てかよ?」
龍は笑いながら言った。
『ごめんっ!
2個上の人になんかっいきなりッ…』
「いいって。
すっげぇ、嬉しい。」
龍の笑顔が、キラキラしてて…
私には眩しいくらいだった。