狼執事とお嬢様♡
制服を脱ぎ、正装をする。
髪もメイクも、きちんと。
それが礼儀。
それが誠意。
トントン、
と、耳に入ったノック音。
「入っていいか…?」
『うん。』
その声に、少しだけ顔が緩んだ反面、緊張を覚えた。
『支葵…どうしたの?』
もし支葵に家の者が手荒なまねをしたら、私が許さない。
「…………」
『支葵? …っん…』
不意にされたキスに、どう反応していいか少し戸惑う。
けれど、受け入れるのは簡単だ。
私は支葵に身をゆだねた。