狼執事とお嬢様♡
「―――――……。」
支葵が、なんだかいつもより大人っぽく見えたんだ。
透き通る瞳も、
窓から入る風に揺らされる茶色の髪も、
絵に描いたようなきれいな肌。
どこかのおとぎ話に出てくる王子様みたいな、彼を。
どこが無邪気な面を見せていた彼が。
とても大人っぽく、色っぽく見えたんだ。
『…そんなの、うれしすぎて…
もう、何もいらないね。』
そういうと彼は、フッと笑って「バーカ」なんて言っていつものように無邪気に笑った。
そして、私と支葵は…
俊と海琉の待っている玄関へ。
さぁ、屋敷へ行こう。
幸せをつかみに。