狼執事とお嬢様♡




「旦那様、始めまして…。
穂乃歌様に仕えている、高野 支葵です…。
今日は私からも、奥様と旦那にお願いがあってきました…。」




淡々と話し出す支葵に、私は驚きを隠せなかった。




でも、顔色一つ変えずに話し出す支葵はいつもの何倍も、何十倍も格好よく見えた。





「そのお願いとは?」




お父様が、支葵を射るような目で見た。



支葵はその目線にも顔色を変えなかった。





「失礼を承知で申し上げます。


私は…














俺は、穂乃歌を愛しています。




一人の、女として。










今日は、婚約の許可をもらいにきました…。」





ありがとう、支葵。



言ってほしい言葉も、言いたかった言葉も、支葵が全部言ってくれた。


でも、私も伝えたいよ…


自分のキモチ…




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