狼執事とお嬢様♡
『本当…?』
信じられなかった。
お父様が帰ってくるって聞いたとき、はっきり言うと逃げ出したいくらいだった。
逃げ出さなくて…本当によかった…。
「現実だ、穂乃歌…。
一生、傍にいるから…。
俺から離れるなんて、許さねぇよ?」
耳元でささやかれ、ビクッと肩があがる。
『はぁっ!?
イミわかんないッ!
そんなの…!!』
支葵の耳に唇を寄せて言った…
『離れないに決まってるでしょ??』
少しだけ支葵が顔を赤くしたのを、私は生涯絶対忘れない。
忘れてなんかあげない。
キミとの思い出は、私の宝物。
これからも、増え続ける、宝物…。
決して、減ることはない…