狼執事とお嬢様♡
「俺…今日は帰るわ…
支葵、穂乃歌…任せたから。」


そう言った俊に支葵はフッと笑った。


「任せられた。」


2人は何故かハイタッチをした。


このときの私はまだ、俊のその言葉の意味を知らなかった。



2人のハイタッチは軽快な音を立てた。





バタン…。


屋上の重いドアの音が鳴った。


俊の背中は寂しそうにドアの向こう側へ消えていった…




「あぁ~あ、サボリ…だな♪」

『嬉しそうに言わないでよッ!』




さっきまでの重い雰囲気が嘘の様に軽くなった。




支葵…ありがとうね♪

きっと、支葵のおかげだよ…




「嬉しいに決まってんだろ?
うるさい女子とは会わなくて済むし?
穂乃歌と居られるし?」

『私もサボるの!?』

「当たり前。」



支葵はゴロン、と屋上に寝ころんだ。


そのすぐ隣に、私は座った。




久しぶりの支葵との時間に、心が熱くなった。



< 65 / 363 >

この作品をシェア

pagetop