狼執事とお嬢様♡
「…俊のこと、許してやれよ。」
『大丈夫だよ。別に、怒ってる訳でもないから♪』
そう答えた私に、支葵は眉間にしわを寄せた。
「なんだよそれ。嫌じゃなかったってこと?」
『ちがッ!』
「な~んだ、助けなくてもよかったって訳だ?」
『違うよ…』
嫌だった…
あのまま唇が触れていれば、今頃私は涙の海におぼれている…
『支葵が来てくれたから…』
「俺?」
支葵が来てくれたから何もされてないんだよ?
支葵が来てくれたから今私笑ってるんだよ?
全部、全部。
支葵のおかげなんだよ…