狼執事とお嬢様♡
『ありがとうね、支葵。』
「…別に?」
『俊にあのままキスされてたら私今頃泣いてるからさ…
だから、ありがとう♪』
「別にー?」
なんか…素っ気無い…
人がお礼を言ってるって言うのにッ!
「もし、俺だったら?」
えっ……?
「もし、キスの相手が俺だったら…穂乃歌は…泣くか?」
支葵はゆっくりと体を起こして、私に目線を合わせた。
「泣く…か?」
キスの相手が…支葵だったら……?
『嫌じゃ…ないよ……?』
いつの間にかそう答えていた私―――…