狼執事とお嬢様♡
『ありがと…』
そっとお礼を言った。
「ん。」
少しだけ素っ気無く返ってきた返事。
やっぱ…怒ってるのかなぁ……?
でも今は、それは聞かないね?
ずっと…婁唯に聞きたかったことも…
全部、後でいい。
今は、“どうして”より
“ありがとう”の方が大きいから。
「起きれるか?」
婁唯は私の手は離さず、逆の手で私の肩を支えてくれた。
私はそれに答えるように、上半身を起こす。
そしてゆっくりと足を床につけ、立ち上がる。
立てたぁ…。
なんて思っていられるのもつかの間で。