どんな形でも


電話を切り、おそるおそる後ろを振り返る

彼はおかしそうな目でこっちを見ていた

『何だ、買い出しか』

やっぱり…。

さっきのあいつ─神崎祐輔だった

『その顔何だよ。』
「いや…」
『何かついてる?』
「いや…」
『じゃあ何だよ』

鼻は低め、いかつい顔をしている

「さっきはどうも。」
『ん。』

シレっとする神崎祐輔。
本当にさっきのこと覚えてんのか!?

『…お前さ』
いきなり声をかけられた。
…いやあ…びっくりした…(笑)
「ん?」
『俺ん家の隣の和食屋だろ』
「そうだけど…」
『そっか。』

神崎はこくっと頷いて『サンキュ』と言うと、お菓子コーナーを後にした

本当何なんだろあの人。

たまにうちの店来てるらしいけど。


会計を済ますとすぐに帰った。

『おかえり愛ちゃん。……?』

玄関先で迎えてくれた宏汰くんがあたしの腕を見て不審気な顔をした

「ただいま。どうしたの?」
『傷…転んだ?』

……あのときの。
あたしは全部を宏汰くんに話した。

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