側にいる誰かへ
人は、その場にある感情が全てではない。

ここにいる周りの人達もきっと内面には、暖かいものを持っている。

今気づいた。

俺は人を外見で判断する他人が嫌いだった。

だけど、人の内面を見ようとしていなかったのは俺も同じだったんだ。

人の上辺の態度を見ただけで暴力を振るっていたのだから。

俺は深呼吸をする。

気持ちをゆっくり落ちつかせ、俺は周りの質問に笑顔で答える。

俺はこいつらをわかろうとしなければいけない。

彼らの外面ではなく内面を。

その内面にはきっとすばらしい何かがあるはずだから。

俺は変わる。

変わってみせる。

富塚はまだ気づいていない。

自分が変われば、他人も変わるという事を。

富塚がこの時、世界に感じたのは、怒りではなく、優しさ。

それは彼にとっての大きな成長であり、いずれ向かうべき何かを照らしてくれるであろう。
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