年下12歳との恋
なんとなくだけど、健ちゃんって本当は優しい人なんだろうな。

でも………

私と一緒で不器用なんだろうな。

そんな健ちゃんに惹かれてる私って………

いったい何!?

訳わかんないよ。

なんで12も下の健ちゃんにこの私が惹かれなきゃあいけないの!!

だんだんそんな自分に腹が立ってくる!!

なんで腹が立つのかもわかんないけど、とにかく腹が立つ!!

麻里っぺが何も知らずにふと知美に話しかけた。

「姉さん」

麻里っぺの声とともにつながれていた知美の手と健太の手が自然に離れた。

「何?」

「鍋田すごいね」

「たしかに………」

知美は隣にいる健太に聞かれないように麻里っぺに小声で言った。

「そんな事よりさっき健ちゃんと何こそこそ話してたの?」

麻里っぺは少しニコニコしながら言った。

「姉さんにたかぁ〜いたかぁ〜いしてあげたら恥ずかしがるかもよ? って言ったら本当に健ちゃんやったよ」

知美は少しふくれた顔で言った。

「やっぱ麻里っぺだったんだ」

麻里っぺは少しイタズラな笑みを浮かべたまま言った。

「でも姉さん嬉しかったんじゃないの?」

知美は少し恥ずかしながらも強気で言った。
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