それでも君と、はじめての恋を


「森とは2月入ってから話すようになって。……色々、聞かされて」

「……あたしのこと?」

「うん」


……それは、アレか。


あたしが経験豊富だとか、男の知り合いが多いとか、やたら男慣れしてるとか、そんな感じだろうな。


「で、何か……焦って」

「……」


視線は感じているんだろうけど、あたしの方を見て話さないモモはポケットから手を出して首の後ろを掻いた。


照れくさいんだろうなと思う。

森くんに色々聞いて、焦ってくれたなんて。モモはいつからあたしのことが好きだったんだろう。


モモはあたしが経験豊富だと聞かされてたから、あの会話を聞いてしまった時、あたしは顔狙いで近付いてきたんだと疑っちゃったのかな。


言葉を濁してしまったモモに、首を捻る。もちろん、モモの前に顔を出すかたちに。
< 181 / 490 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop