それでも君と、はじめての恋を


「ねえ、森くんにあたしのこと相談したりした? 顔狙いとかの話」

「や、相談っていうか……」


モモはあたしの顔を見ながら困った表情をして、眉を寄せるとやっぱり目を逸らされた。


「森に色々聞いても、ただ友達が多いだけだと思ってた。……でも、顔狙いとか話してて」

「……怒ってたよね」


言うなよって顔で見られたけれど、あたしは笑い返すことが出来なかった。そんなあたしを見て、モモは目を伏せる。


「……思ってたんじゃなくて、言い聞かせてたんだよ。渉は、友達が多いだけだって」


……それって。


言い聞かせてたって、ヤキモチみたいなものじゃない?


ほんとは嫌なのに我慢してたってことじゃないの? ……なんて、都合良く考えすぎかな。
< 182 / 490 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop