それでも君と、はじめての恋を




「分かってたけど、マジ有り得ない」

「俺はぁ、嬉しいよっ? また同じクラス~!」


きゃっきゃっと喜ぶ純の隣で、ガックリと肩を落とす葵。


2年3組。1年7組だったあたし達の教室は、今日からここだ。


ガラッとドアを開けると、「渉ー!」と聞き覚えのある声に迎えられる。


「おー! 久しぶり!」

「久しぶりー! 2年もよろしくっ」

「葵と純も!」


「イエーイ!」と以前もクラスメイトだった子たちが男女紛れて純とハイタッチしているのを横目に、ぐるりと教室を見渡す。


……あ、やっぱり半分くらい知らない顔かも。


教室のあちこちで、見覚えのない顔が騒がしいあたし達をチラチラと見ていた。


「つか、元7組多いよね」

「だよねー! クラス分け見て思った!」


葵も教室を眺めながら、1年時別のクラスだった友達を見つけて手を振っている。


「俺ら以外の元7も、他のクラスで結構固まってるよなー」

「ウチ等はまとめてた方が何かといいんじゃない?」


そう返すと、「それ渉たちだけだからー!」と腑に落ちないことを言われた。
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