それでも君と、はじめての恋を
「つうかぁ、選択授業が一緒なんだから同クラで当たり前じゃ~ん」
「まあねー。選択でクラス決まるようなもんだったし」
「てか、担任もまた同じとかウケね!?」
「やべー! 俺アイツ超好きだわー!」
全員で笑ってると、予鈴が鳴る。今日は始業式と、ホームルームだけ。
春休み期間に前もってクラス分けと担任紹介をされていたんだけれど、やっぱりこうやって実際に顔を合わせると嬉しい。
「そろそろ担任来んじゃねぇ?」
「アイツ熱血に見せ掛けて、実際やる気ないよねー」
ぞろぞろと自分の席に戻って行くみんなの背中を見ながら、そういえば自分の席をまだ知らないことに気付いた。
「渉、席見に行こ」
「んー」
「俺も俺もぉ~」
葵と純と黒板に張り出された座席表を見に足を進めながら、モモは学校に着いたかなと考える。
走らなそうだよなぁ……ていうか走ってるとことか見たことないな。
電話してみようかと携帯を取り出した時、担任が教室に現れた。