それでも君と、はじめての恋を


「ぶっはは!! 何ソレ意味分かんない!」


一部始終を見ていたらしい純があたしの手の平に納まる物を指差しながら爆笑して、怒りたいけど怒れない。


いや、だって……。


「これ、何……?」


窓を背にして座るあたしの横で、葵まで軽く吹き出した。


「折り紙のウサギじゃない?」

「ひぃーっ! 桃井まじ意味不明! 何したいのあの子!」


腹を抱えながらピョンピョンと跳ねる純が目障りで仕方ないけど、あたしの手の平にあるのは確かにピンク色の折り紙で作られたウサギさんで……。


ご丁寧に顔まで描かれてるけど、一体これは何なんでしょうか……。


え? マジでこれ何? 忘れてたって何? プレゼント? 折り紙が?

何がどうなって!?


「はぁ〜……俺もうダメ。桃井面白すぎて腹筋割れるかもぉ」

「桃井じゃなくて、妹が作ったんじゃない?」


あたしの手からウサギさんを取り上げて眺める葵に一票。冷静に考えると、そうだろうけど。


「何であたしにくれるのか分からない……」

「言葉足らずは相変わらずだね」


えぇ、本当に。モモは経緯を話すってことができないらしい。
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