それでも君と、はじめての恋を


色々考える前にドアを開けて、小声で「お邪魔します」と言ってから1組に足を踏み入れる。


クラスメイトじゃないあたしの訪問に、たくさんの視線が集まった。


……どんだけ見るんだ。凄い気まずいんですけど。


突き刺さるような視線を我慢して、一直線に桃井くんのところへ向かった。


昨日はごめんなさい、昨日はごめんなさい。


それから……他に何か言ったほうがいいの!? もっとちゃんと考えてくればよかった! とりあえず殴られませんように!!


窓の外を見てる桃井くんに声を掛ける勇気が出なくて、代わりに机の上にお詫びの品をソッと置いた。


その間近な音に桃井くんは気付いて、お詫びの品を見てからあたしを見上げる。


ヒィッ!と心の中で叫んだのも束の間、逃げ出したい気持ちが一瞬で消えてしまった。


お……驚いた顔……した、よね?


新しい表情に見入っていると、桃井くんは机に置かれた白い袋に視線を落とす。


その行動に見入ってる場合じゃなかったと思って、慌てて口を開いた。
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