それでも君と、はじめての恋を
「「……」」
……メ、メアド交換ってこんなに緊張するものだったっけ。
あたしと桃井くんは携帯の赤外線ポートを向かい合わせて、ドピンクの携帯に桃井くんのアドレスが登録される。
「き、きたよ。ありがとうっ!」
「ん」
お互いの携帯を離して、電話帳から桃井くんを探す。あたしも赤外線で送ったほうがいいのか、今メールを送ればいいのか、悩みながら。
……桃井くんの電話帳には、どのくらい登録数あるのかなぁ。
知りたいこと多すぎるな、あたし。
カチカチとボタンを押しながら、やっぱりメアドと番号しかなかったことに少しガッカリして、グループは高校でいいかなと思う。
ふと名前を見ると、普通に“桃井 寶”と登録されていた。
「……」
「……?」
視線に気づいた桃井くんは同じように携帯をいじっていた手を止めて、不思議そうにあたしを見る。