それでも君と、はじめての恋を
「何で純が、赤点、ないの」
「うわぁ、何その言い方~。まるで俺が赤点ばっかなチャラ男みたいじゃぁん」
「そう見えるから言ってるんだよ!」
腹立つ!
何で毎日毎日、毎日毎日! 女の子と遊んでる純が、勉強してるとこなんて見たことない純が! 平均70点なのか!
「渉ぅ、大人げないぞぉ。いいじゃん、渉だって今回は悪くなかったんだから。特別良くもないけど~」
「一言余計!」
「うるさいぞー」とテストを返却してる先生に注意されて、あたしは溜め息をつく。
「ま、良かったじゃん。赤点1個もないなんて、初めてでしょ?」
葵にそう言われて、あたしは頬を染める。
そう、ギリギリ40点もあったはあったけど、モモに教えてもらった教科は全部、今までのあたしでは見たことない点数だった。
お礼をしなくちゃいけない。
なんて、あたしがまたモモと話したいだけ。