それでも君と、はじめての恋を
最悪、最悪だふたりとも!
あたしがモモのこと好きって本人にバレたら、どうしてくれるの!
「ま、そう言うわけで? 今日の目的は、渉が仲良くなりたい桃井がどんな奴なのか知りたかっただけってこと」
葵がサラリとまとめたけれど、そう言えばバレずに済むかもしれないけど。改めて言われると恥ずかしいことは変わらない。
「で、合格~って話! つうわけで、俺らとも仲良くしてねっ」
「はい!?」
赤さを落ち着かせる為に俯いていた顔を勢い良く上げると、純も葵も口の端を上げている。
「俺、池田 純ね。渉と同じクラス~」
「優木 葵。渉とは、小学から一緒」
あたしの存在を無視するかのように、勝手に話を進めるふたり。モモを盗み見ると、驚いているみたいだった。
……本当に葵と純はモモと友達になる気なのかな。
あたしはちょっと色々な意味で不安だけど、嬉しい気持ちの方が大きい気がする。
だって、ほら。
「桃井 寶。……よろしく」
モモが、楽しそうにしてるから。