お前じゃない
そして、ハルは念の為、キッチンでナイフを調達すると、一階の部屋から順に調べて行った。調べてもやはり一階には誰もいない。もちろん社長の部屋も調べたが、誰かが隠れている事はなかった。二階に上がり、端から調べたが誰も隠れていなかった。二宮の部屋にも……。
もしかして嫌な予感が的中してしまったのか? 殺人鬼が隠れてくれていた方がどんなに良かったか。犯人は僕達の中にいる可能性が高いんじゃないのか?
みんなにこんな事を言うと、疑心暗鬼になり、誰かが喧嘩して、纏まらなくなるはずだ。今は自分の胸にしまっておこうとハルは思った。
食堂に戻ると、ハルは、なるべく表情を和らげ、穏やかに言う。
「誰も隠れてなかったよ。殺人鬼はとっくに外へ逃げて行ったんじゃないかなぁ」
久美子はほっとした顔を見せたが、だいちゃんは、大きく目を開き、久美子とハルを交互に見た。
「殺人鬼が外へ逃げたのが確実なら、坂上とポッコリ殿、危なくないかな」
ハルは、外に殺人鬼が逃げた可能性は低いだろうと考えていた。
この嵐の中、長い道のりを街まで逃げるのは至難の業である。
もしかして嫌な予感が的中してしまったのか? 殺人鬼が隠れてくれていた方がどんなに良かったか。犯人は僕達の中にいる可能性が高いんじゃないのか?
みんなにこんな事を言うと、疑心暗鬼になり、誰かが喧嘩して、纏まらなくなるはずだ。今は自分の胸にしまっておこうとハルは思った。
食堂に戻ると、ハルは、なるべく表情を和らげ、穏やかに言う。
「誰も隠れてなかったよ。殺人鬼はとっくに外へ逃げて行ったんじゃないかなぁ」
久美子はほっとした顔を見せたが、だいちゃんは、大きく目を開き、久美子とハルを交互に見た。
「殺人鬼が外へ逃げたのが確実なら、坂上とポッコリ殿、危なくないかな」
ハルは、外に殺人鬼が逃げた可能性は低いだろうと考えていた。
この嵐の中、長い道のりを街まで逃げるのは至難の業である。