お前じゃない
 ギギギッーーーバターーーーーーーン!!


 突然ドアを開け閉めする音がして、だいちゃん達は慌てて食堂から出た。

 すると、雨でびしょ濡れの坂上とポッコリ殿が立っている。


「ダメだった……。途中まで歩いて行ったけど、土砂崩れが起きてて、行き止まりの状態だ」


 ポッコリ殿は力なく、待っていた三人に告げた。


「じゃあ帰れないって事?! 別荘の近くには殺人鬼が居るかもしれないのよ!」


 久美子は立ち上がり血相を変え、半ば叫んだ口調である。


「別荘の近く? 別荘の中に殺人鬼が隠れてるんじゃなくて?」


 ハルが別荘内を調べ、不審者がいなかった事実をまだ知らない坂上が、くしゃみをしながら訊いた。
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