お前じゃない
 すると、ポッコリ殿はすぐにドアを開けて、二人が立っていたせいか、ビックリした顔をしていた。


「突然二人してどうしたの?」


「ポッコリ殿、お風呂じゃなかったの? まだ坂上君が入ってるのかなぁ」


「坂上にお風呂いいよって声かけられなかった?」


「いや、来てないよ」


 三人は顔を見合わせ、心配になり浴室へ向かった。

 女性である久美子は浴室には入らず、ハルとポッコリ殿で入っていった。


「うわ〜〜〜〜〜〜〜〜っ!!」


 坂上は、湯船でうつ伏せに浮いた状態で死んでいる……。

 ハルとポッコリ殿の叫び声を聞き、入ってこようとした久美子を、ポッコリ殿が制した。


「来るなっ!」


 ハルとポッコリ殿も、這い蹲る様に風呂場から出た。

 やっとの思いで、ロビーのソファーに腰掛けると、ハルとポッコリ殿は青ざめた顔で、放心状態になっていた。
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