お前じゃない
「社長! 社長! しっかりして下さい!」
久美子が何度も社長の体をゆすり、呼びかけたが、呻き苦しむ声だけ聞こえ、やがてピクリとも動かなくなった。
冷静な二宮が、ロビーに向かい電話をかけに行った様だった。しかしすぐに戻ってきて、電話が通じない事をみんなに伝えた。
「何で通じないんだよ! 携帯は?! 携帯でかければいいんだよ!」
ポッコリ殿は携帯を出したが、圏外だと気付きチッと舌打ちした。
「携帯もダメか……、別荘の電話は何で通じないんだ?」
「分らない……、受話器を耳に当てても、音も何も聞こえないんだ」
坂上が二宮に問うが、二宮も電話が通じない事しか分らない様だった。
血相を変えただいちゃんが、電話のあるロビーに走って行った。
そしてすぐに戻ると、俯きながら首を横に振った。
「だいちゃん、電話は? 故障か?」
「いや……電話線が何かで意図的に切られていた……」
「なっ、何だって! 誰が、わざわざそんな事」
坂上が声を張り上げたが、みんな自分じゃないとかぶりを振った。
この別荘の近くには、人もいない。
それに街までは相当距離があるので全員は途方に暮れた……。
久美子が何度も社長の体をゆすり、呼びかけたが、呻き苦しむ声だけ聞こえ、やがてピクリとも動かなくなった。
冷静な二宮が、ロビーに向かい電話をかけに行った様だった。しかしすぐに戻ってきて、電話が通じない事をみんなに伝えた。
「何で通じないんだよ! 携帯は?! 携帯でかければいいんだよ!」
ポッコリ殿は携帯を出したが、圏外だと気付きチッと舌打ちした。
「携帯もダメか……、別荘の電話は何で通じないんだ?」
「分らない……、受話器を耳に当てても、音も何も聞こえないんだ」
坂上が二宮に問うが、二宮も電話が通じない事しか分らない様だった。
血相を変えただいちゃんが、電話のあるロビーに走って行った。
そしてすぐに戻ると、俯きながら首を横に振った。
「だいちゃん、電話は? 故障か?」
「いや……電話線が何かで意図的に切られていた……」
「なっ、何だって! 誰が、わざわざそんな事」
坂上が声を張り上げたが、みんな自分じゃないとかぶりを振った。
この別荘の近くには、人もいない。
それに街までは相当距離があるので全員は途方に暮れた……。