背徳の天使
三)
「どんな顔が望みだ?」
日本で不認可の脂肪吸引術で40代の女性を死亡させ、医師免許を剥奪された元美容整形外科医が尋ねた。
「どんなでもいいから、冷たい感じで頼む。」
俺が曖昧な言い方をしたのがいけなかった。
久々に見た鏡には、絵に描いたような美しい顔がうつっていた。
「気に入ったか?」
男は満足そうに微笑んだ。
「何だよコレ?気持ち悪い…」
本音だった。
「完璧に整った顔ほど、冷酷に見えるものはない。間違いなくお前のオーダー通りだ。」
ヤツは言い張った。
単なるお前の趣味だろーが?
俺の人生がかかってるってのに、迷惑な話だ。
とはいえ、童顔で『天使のよう』と言われた以前の俺の面影は、もう微塵も見当たらなかった。
日本で不認可の脂肪吸引術で40代の女性を死亡させ、医師免許を剥奪された元美容整形外科医が尋ねた。
「どんなでもいいから、冷たい感じで頼む。」
俺が曖昧な言い方をしたのがいけなかった。
久々に見た鏡には、絵に描いたような美しい顔がうつっていた。
「気に入ったか?」
男は満足そうに微笑んだ。
「何だよコレ?気持ち悪い…」
本音だった。
「完璧に整った顔ほど、冷酷に見えるものはない。間違いなくお前のオーダー通りだ。」
ヤツは言い張った。
単なるお前の趣味だろーが?
俺の人生がかかってるってのに、迷惑な話だ。
とはいえ、童顔で『天使のよう』と言われた以前の俺の面影は、もう微塵も見当たらなかった。