背徳の天使
 お前が大事にかくまってる人質を、お前の留守にお前の寝室で…







 感情を見せたことのないお前が、狂ったように取り乱して、激しい怒りを剥き出しにした。


 でもお前は俺を殺さなかった。


 寸前で思い止まった。


 その時、俺の中の疑心は確信へ変わった。







 ツヨシ…


 悪いと思ったけど、尾行させてもらったよ。







 寂れたポルノ映画館で、お前はコソコソ『青山』という年配の刑事と会ってた。


 青山はお前のことを『窪田』と呼んだ。


 その時は気付かなかったけど、お前だったんだな…


 京子が命をかけて愛した男…







 『窪田 駿』








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