背徳の天使





 窪田は





 俺をつかんでいる手を離した。











 暗闇の中を果てなく落下しながら、俺はお前に向かって銃の引き金を引いた。


 俺の放った銃弾は、窪田の頬をかすめた。






 外したわけじゃない…


 死にゆく俺が、お前の命を奪う理由なんてどこにもなかった。









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