背徳の天使
 岩の上に仰向けに横たわる京子の上で、身体を前後に揺らす男の後姿が視界に入った。


 その大きな後姿には見覚えがあった。


 あきらだ…


 その瞬間…


 俺の脳があきらを認識した瞬間、俺の頭の中は真っ白になった。







 気付くと俺は…





 あきらを死ぬ寸前まで殴っていた。





 今思えば


 俺の中の狂気は


 この時すでに目覚めてたんだよな…










 アキラは、京子に乱暴したという後ろめたさと、俺に対する恐怖で、林の中での出来事を誰にも口外しなかった。




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