ヒーロー先生
「またか国立」
数成先生の発言に国立先生の前進が止まる。呆れた声色の数成先生とは真逆に国立先生は一層楽しそうに笑顔を見せる。よく四六時中笑っていられるものだと感心の念。
「実は阿藍君と愛の告白現場を目撃しちゃってさぁ」
「今度は生徒まで巻き込んで馬鹿やんのか」
しかも恋愛沙汰なんて、とあからさまに不機嫌を表明するかのように眉間に皺を作り上げ目を細める数成先生。数成先生の言いようからしてこんな行動をとることが以前にもあったのだと理解する。その内容については多少興味は湧いたが本人の目の前で質問するのはまた面倒なことになりそうなので控えておくことにする。忘れていなければ何時か数成先生にでも聞いてみよう。「大丈夫、数成も混ぜてあげるからさ!」「そういうことを言ってんじゃねぇ!」などと漫才のような繰り返しを呆然と見て何故昨日の件で自分が呼ばれたのかを思い出す。
「そうそう、作戦を練ろうと思ってね」
片方のみ取っ組み合いが始まりそうな勢いだが見事それを無視し用件を話し始める迷惑生産者。どちらがどちらかは一目瞭然だろう?
入室したときに国立先生が着席していた席に戻り、紙と苺のキーホルダーが揺れるボールペンを手にしユーターンして来る。因みに男が持つのには可愛らし過ぎるそのボールペンは去年片思いされていた卒業生にプレゼントされたと授業終了後、女子生徒に聞かれ応答していたのを覚えている。小声で言うが多少恨めしい。
そんな閑話はさて置き何やら先程持って来た紙に絵を描き始める国立先生。興味本位に自然と数成先生も僕もその紙に釘付けとなる。
数成先生の発言に国立先生の前進が止まる。呆れた声色の数成先生とは真逆に国立先生は一層楽しそうに笑顔を見せる。よく四六時中笑っていられるものだと感心の念。
「実は阿藍君と愛の告白現場を目撃しちゃってさぁ」
「今度は生徒まで巻き込んで馬鹿やんのか」
しかも恋愛沙汰なんて、とあからさまに不機嫌を表明するかのように眉間に皺を作り上げ目を細める数成先生。数成先生の言いようからしてこんな行動をとることが以前にもあったのだと理解する。その内容については多少興味は湧いたが本人の目の前で質問するのはまた面倒なことになりそうなので控えておくことにする。忘れていなければ何時か数成先生にでも聞いてみよう。「大丈夫、数成も混ぜてあげるからさ!」「そういうことを言ってんじゃねぇ!」などと漫才のような繰り返しを呆然と見て何故昨日の件で自分が呼ばれたのかを思い出す。
「そうそう、作戦を練ろうと思ってね」
片方のみ取っ組み合いが始まりそうな勢いだが見事それを無視し用件を話し始める迷惑生産者。どちらがどちらかは一目瞭然だろう?
入室したときに国立先生が着席していた席に戻り、紙と苺のキーホルダーが揺れるボールペンを手にしユーターンして来る。因みに男が持つのには可愛らし過ぎるそのボールペンは去年片思いされていた卒業生にプレゼントされたと授業終了後、女子生徒に聞かれ応答していたのを覚えている。小声で言うが多少恨めしい。
そんな閑話はさて置き何やら先程持って来た紙に絵を描き始める国立先生。興味本位に自然と数成先生も僕もその紙に釘付けとなる。