君、どうしても
1st
「……はぁ」
四月八日。
今日は高校の入学式。
人生そんなにうまくいかない、とつくづく思う。
朝っぱらから鏡の前で、ため息をつくのは私、橘 ひよ(タチバナ ヒヨ)。
私の周りからは薄黒いオーラがでているに違いない。
え…?
なんでそんなにテンション低いのかって?
だって今日から花の女子高生なの…。
本当だったら、
待ちに待った高校生!
…になるはずだった。
なのに…
あいつの所為で、今の私はアンハッピーどころではないサガりーのだ。
実は私は中学まで女子校だった。
それも、そのままいれば大学まで行けちゃう学校。
だったのに!
あいつがあんなこと言ったから!
共学…しかも去年からの、まだ女子が少ない元男子校の高校に行かなきゃいけなくなってしまったのだ。