君、どうしても
あ、あいつって言うのは私の幼なじみで…
名前は、川岸 來(カワギシ ライ)。
もうあいつに捕まえられたことのない女の子は、この世にいるのかと疑うほどの女たらし野郎。
で、どうして來の所為なのかと言うと…
『…んぁ?お、ひよ!久しぶりやなぁ!何年ぶりや…せや、前に会ったのは小学校んときやな!』
ある日私は中学から帰る途中、偶然來に会った。
昔は家が隣だったから、小学校が違っても良く遊んでいたのだけど、ある日來は違うところに引っ越していった。
多分、來のお父さんの転勤で…小学校二年の時だったと思う。
『…誰、ですか?』
初めは來だって分かんなかった。
だって來はすっごい変わってたから。
私の知ってる來は関西弁じゃなかったし、なんといっても…こんなに格好良くなかったの!
『あ、そうか。分からんか…って、納得するわけあるかぁぁーっ!!』
そして、ボケてもいない私に、ノリツッコミをする人でもなかったし。