クローバーの約束

「何で今、小唄と成瀬くんたちが
 逢うのを反対したかわかるかい?」




え?零くんたちのパパが



悪いことしたからじゃないの?



「わかんない」




「君たちはまだ、小学生だ。
 まだ法律の知識の欠片もない、
 ただの幼い子供だ」



ただ頷くばかりだった。



「でもな、小唄。ちゃんと、していいことと
 悪いことの区別がつく人になって、
 それで中学生になって逢うのなら、
 もう反対はしないよ」




…して良いことと悪いこと。



「零くんたちのパパは
 区別がつかなかったの?」



「だからといって悪い人じゃあないよ。
 お酒を飲んじゃって、本当の自分が
 居なくなっただけだよ」



嬉しかった。



大好きなお父さんが



大好きな人達の大好きな人を





悪い人じゃないと言った。
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