クローバーの約束
「大丈夫?泣かないで、これあげるから」
男の子がひとり、現れた。
「それ、僕はいらないから」
そう言って渡された、
1本の四葉のクローバー。
“ありがとう”と、
お礼も言えず、ただ泣いてた。
「泣かないでってば」
男の子は、困ってた。
そこへ聞こえた、
もうひとりの男の子の声。
「零ーっ、何してんだよっ」
…あたしを見てる。
きょっとーんって見てるよあたしを…
「グスッ…あの、」
「ああ、遊磨。ごめん、もうちょっと」