クローバーの約束
「仕方ねぇ、俺らが遊んでやんよ!」
「おい、遊磨…」
「いーじゃん、迷子だろ?」
「…小唄ちゃん、しばらく僕たちと
遊んでよっか?」
何も言えなくて。
この人達が優しすぎて。
浴衣も顔もぐちゃぐちゃの
見ず知らずの女の子に優しくしてくれる
この人達に何も言えなくて。
ただひたすら頷いたんだ。
「じゃあー、少しお話しよっか?」
「そうだなー、何か食うか?」
そう言われて、差し出された
数種類の飴。
あたしは頷いて、苺味の飴を選んだ。
「やっぱ女の子って苺好きなんかね?」
そうぶつぶつ呟く遊磨くんは
面白かった。