大好きって言って(輝*かなえ)
「好きっだったの……」
「はい」
オレの胸で泣きじゃくるかなえさんはそう言ってオレのブレザーをキュッと掴んだ。
「大好きだったの……」
「はい」
「すっごく好き、だった……」
オレはフッと笑ってかなえさんの頭を優しく撫でた。
オレにもかなえさんの気持ちが痛いほど伝わった。
今……こうして過去形にするのがどれだけ辛い事か知ってる。
終わりにしたくないのに、相手の為に終わりにしなきゃいけない恋。
オレだってホントは……。
“好きなんだ”って言いたい。
この気持ちを止めたくない。
できる事なら……まだ好きでいたいって思ってた。
でもそれはできないんだ。
相手を考えたらそんな我が儘言えない。
だから……。
「全部吐いちゃってください」
好きな気持ちを。
全部……吐き出してください。