虹の都へ
ドキリと、あたしの心臓が変な音を立てた。

ヤバい、今の聞かれたか?

「変なことを言わないでくださいよ!」

虹が言った。

「瑞希はルームメイトですから、何にも思わないっすよ」

ルームメイト――その言葉に、あたしの胸がズンと重たくなった。

な、何よ。

自分だって、虹のルームメイトだって言ったじゃん。

けど自分が言った時と虹が言った時では、こんなにも違うのは何故だろう?

同じ言葉で、同じ意味のはずなのに、一体何で?

何で違うの?

わからない……。

「全く、瀬名さんも余計なこと言わないでくださいよ」
< 103 / 295 >

この作品をシェア

pagetop