虹の都へ
あたしは、何も考えることができなかった。

あたし、何でショック受けてんの?

しょせんあたしは、虹のルームメイトなのに。

何がショックなのか、自分でもよくわからない。

「瑞希、焦げてる」

「えっ?

…きゃあっ!」

虹に言われ、フライパンの中のオムレツを見る。

バターのいい匂いがしていたオムレツは、焦げていた。

「あ〜あ」

皿にあげたオムレツを見た、最初の一言。

オムレツは真っ黒と言うほどではないが、焦げていた。

何してるのよ、あたし。

最近、こんなのばっかりだ。
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