虹の都へ

Juggling City

お昼休みのため混みあっている食堂で、
「高橋さ、何か元気なくね?」

親子丼をお盆に乗せ、声をかけてきたのは柊くんだった。

「えっ、そうかな?」

あたしは笑いながら言った。

けどその笑顔は、自分でも引きつっているような気がした。

「自分の飯とろうとしないし」

「えっ?」

苦笑している食堂のおばちゃんと目があった。

「あっ…」

あたしが注文したとんこつラーメンが湯気を立てて待っていた。

あたしは苦笑しているおばちゃんに愛想笑いをし、ラーメンをお盆に乗せた。
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