虹の都へ
何やってんだよ、あたし。

「ごめん、ボーッとしちゃって…」

どこかで聞いたことがあるような言い訳だ。

「考え事か?」

「うん…」

空いていた窓際の席に、あたしと柊くんは腰を下ろした。

「何考えてたの?」

親子丼を食べながら柊くんが聞く。

「んー、ちょっとね」

笑って返事をすると、あたしはラーメンをすすった。

スープをしっかりと吸ったラーメンは、伸びていた。

「何か、よっぽど悩んでるみたいだな」

「…そんな風に、見える?」

「そりゃ、飯とらなかったし」

あたしは黙ってラーメンをすすった。
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