虹の都へ
「お疲れー」

「お疲れ様」

柊くんとあいさつを交わし、店を出た。

午後6時だと言うのに、まだ明るい空。

だいぶ日が長くなってきたな。

そう思ったのと同時に、初夏の風が吹く。

後少しで、夏か。

なんて思っていたあたしに、
「瑞希ちゃーん!」

振り返ると、瀬名さんが手を振りながら走ってくる。

チクリと、あたしの胸が痛んだ。

瀬名さんの笑顔が目に痛い。

瀬名さんはあたしのところにくると、はあはあと肩で息を吐いた。
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