虹の都へ
あの人…?

それは、一体誰を指差しているのだろうか?

「虹は弟みたいだって思ってるわ。

それ以上でもそれ以下でもないわ」

弟、みたい。

虹が聞いたら、何と思うのだろうか。

「私1人っ子で、兄弟がいなかったから」

つけくわえるように言い、瀬名さんは笑った。

「瑞希ちゃんは兄弟いるの?」

「いえ、いません」

「そっか、瑞希ちゃんも1人っ子か」

瀬名さんは呟くように言って、カクテルを1口飲んだ。
< 119 / 295 >

この作品をシェア

pagetop