虹の都へ
頭の中でブツクサと言いながら、マウスをクリックした。

すぐに、「送信しました」の文字が画面に現れる。

とりあえず、住むところが決まってよかった。

「4月4日に、ここを出るんだな…」

大学の入学式は、その2日後の4月6日。

ちょうどいいな。

「さて、荷造りしなくっちゃ」

あたしは椅子から立ち上がると、荷造りを始めた。

ベッドと机は後から送ってもらうとして、カバンに洋服とかいろいろとつめこむ。

荷造りが終わった時、もう日にちが変わっていた。


それから2日後。

買い物から帰ってきたあたしが郵便ポストを開けると、キレイな水色の封筒が入っていた。

差出人は、これからあたしと一緒に暮らす『須藤 虹』からだった。
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