虹の都へ
柊くんのお兄さんと瀬名さんに、何の関係があるのだろう?

「雅人には、用はないわ」

瀬名さんが言った。

まさと?

「彼には、会いたくないの」

「そうっすか…」

柊くんは苦笑した。

再び沈黙が流れる。

「高橋、ちょっといいか?」

沈黙を破るように、柊くんが言った。

「えっ、うん…」

柊くんに連れられるように、あたしは店の外に出た。

「どうしたの?」

あたしが聞くと、
「涼子さんと知りあいなの?」

柊くんが聞いた。
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