虹の都へ
「いつもなら仲直りしてめでたしなんだけど、今回はそうじゃないらしい。

会いたくないって、言ってるくらいだからな」

柊くんはため息をついた後、アッシュの髪をかきあげた。

「マジ困ったな…」

呟くように言って、柊くんは地面に座った。

「涼子さん頑固だからな…」

そのままため息をついた後、彼は黙ってしまった。

要は、仲直りさせたいと言うことらしい。

けど柊くんの言うように、今回は今までみたいにならないかも知れないらしい。

どうすることのできないあたしは、座ったまま黙っている彼を見下ろすことしかできない。

沈黙が流れたあたしたちの間を、風が通り過ぎて行く。
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