虹の都へ
座ったままの姿勢で、柊くんが少しだけ顔をあげた。

「うん」

あたしは首を縦に振ってうなずいた。

「瑞希、この人は?」

虹が柊くんを見ながら聞いてきた。

「柊健人くん、あたしの同級生でバイト仲間」

あたしがそう言った瞬間、虹は驚いたように目を見開いた。

「柊…。

もしかして、お兄さんの名前は柊雅人?」

「えっ、そうっすけど?」

返事した柊くんは驚いた顔をし、
「って言うか、何で兄貴の名前がわかったんすか!?」
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